明日もきっと、ライトノベルと

読んだラノベの感想・レビューを載せています。面白かったもの、刺さらなかったもの。両方とも基本的にはレビュー作っていきます。楽しんでもらえれば幸いです!

可愛いかがわしいお前だけが僕のことをわかってくれる(のだろうか)【感想・作品紹介】

 オレンジジュースおいしい。一生飲んでる。パックのあの感じが手放せない! と変なテンションでパソコンに向かっています。どうも、にまめです。今回は、『可愛いかがわしいお前だけが僕のことをわかってくれる(のだろうか)』の感想を語っていきたいと思います。ネタバレなしです。

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同窓会で東大生だとウソをついた浪人生の僕。もしウソがばれたら人生終了だな…。よし、死のう!死んで異世界転生だ!中二の時に書きためた設定のやつでお願いしまーす!…と、そんなうまい話があるわけもなく、転生に失敗して地獄の狭間で苦しむ僕の前に、銀髪ロリ悪魔のドロルフィニスが現れる。

魂と引き換えに、この世の快楽の全てを教えてやると語る彼女。え、僕まだ死ねないの…?でも、それだったら!これまで僕を苦しめてきた奴らを見返してから死んでやる!

先ずはバイト先の女子大生、梨沙だ!イケメンに変身して、しゃぶりつくしてやるぜぇえええ!僕は自殺したいだけなのに、『尊死』するまでポンコツ悪魔が死なせてくれない!?って一体どんなラブコメなんだよ!

彼にとって、人生の意味とは

 主人公・夢野巡(ゆめのめぐる)が人生に絶望し、死んで異世界転生しようとするが、悪魔少女ドロルフィニスによって無理やり命を救われ、幸せに人生を終わる――『尊死』を目指すことになってしまうお話。

 ラブコメということなのでどんなお話なのだろうと思っていましたが、ラブコメ要素はかなり薄目かなと思います。なので、どきどき・胸キュンを求めている人にはお勧めしないかなと。

 率直な読んだ感想としては、驚きが大きかった、というところでしょうか。最初は、新しい構図のコメディチックなラブコメなのかなーと思っていました。しかしこの作品は、死にたがりの巡とポンコツ悪魔ドロルフィニスが、コミカルな展開と会話の中で生死の意味を考えていくという、結構硬派な内容になっていました。

 悪魔に無理やり救われてしまった巡の、不思議なひとときとともに、生死について考えていくというのがこの作品のコンセプトになっていると思います。読んでいる間に、彼の人生と自分の生死感を照らし合わせる瞬間がちらほらとありました。

 また、宗教にまつわる古典の名作を引用したり、設定として出している部分が多くあり、知っている人ならばクスリと笑えるところが多いのではないでしょうか? すべてではありませんが、僕も読んでいる作品がいくつかあり、にやりとしてしまいました。

 しかし、コミカルさと硬派な部分がうまく調和していなかったかなと感じました。この作品がどの層を狙ったものなのかは知りえませんが、中高生を主としているライトノベルだと、『わかりやすさ』という部分で少し安定しない部分があったと思います。とっつきやすいようにコミカルな設定にしてあるのはグッドポイントだったのですが、会話や展開のテンポが悪く、展開の回収も判然としなかったため、コミカルさも硬派な感じも活かされておらず、中途半端な印象を受けました。

 

最後に

 ドロルフィニスが非常にかわいかった。それだけに、もう少し展開などが活きていれば……と思ってしまいます。流れや結末はさておき、テーマは非常に興味深いものでしたので、楽しむことができました。

 

まとめ

キャラクター:★★★☆☆

世界観・雰囲気:★★★☆☆

展開・テンポ:★★☆☆☆

設定:★★★☆☆

 

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