探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる【感想・作品紹介】
ジャズドラムが好きでよくドラムの動画見るんですが、どうやったらあんなに音を使い分けられるんでしょう……不思議でなりません。そんなわけでどうも、にまめです。今回は、『探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる』の感想を語っていきたいと思います。ネタバレなしです。
あらすじ
主人公・戸村和(とむらなぎ)は、父親が探偵をやっているからという理由で、クラスメイトからとある相談を持ち込まれるようになってしまう。
様々な謎を前に、面倒なことになったと頭を抱える和の両隣で、今日も美人の双子姉妹が鋭い推理でスパッと解決していく。
自由人でいつもぐーたらとしているが頭の回転が恐ろしく早い姉・山田雨恵(やまだあまえ)。
静かでどこか鋭さを持った博識な妹・山田雪音(やまだゆきね)。
二人の力を借りて、舞い込んでくるちょっとした事件を華麗に解決! けど、やっぱり美人姉妹に囲まれるとドキドキしてしまって――。
こんな人にオススメ!
・日常ミステリをかわいい姉妹とともに解き明かしたい!
・誰も不幸にならない、幸せなミステリが見たい!
教室の隅で美人姉妹に囲まれる。そんなミステリ
初めに言っておきますが、僕はミステリ全般に明るいわけではありません。本格派は有名どころしか読んだことがなく、メインで読んでいるのは殺人が起こったりしない、設定もライトな日常ミステリが多いです。
あくまでそれを踏まえたうえで聞いてもらいたいのですが、僕は日常ミステリを読むとき、根幹たるロジックの次に舞台を大切にしています。
ミステリって雰囲気が大切だなと思っちゃうんですよ。特に日常ミステリなんかは。事件自体に刺激があるわけではないものが多いので、余計謎が解き明かされる”舞台”というのは特別意識してしまいます。
この作品の舞台はその点、とても好きです。日が傾いてくる中、放課後の教室の隅で美人姉妹に囲まれながら推理するなんて夢のようじゃないですか。加えて、その空気感にちょうどよい事件だったので、非常に安定した空気感の作品でした。
また、ヒロインたちのキャラクターもその空気感にマッチしていましたね。
普段はぐーたらでテキトーだけど、興味があることには活発的で恐ろしく頭がキレる雨恵。そして、静かな毒舌でドジなところもあるけれど、博識でミステリが大好きな雪音。
性格が大きく異なる二人が、ともに推理する。雨恵はその閃きで道を作り、雪音がその知識量でカバーしていく。二人の役割がとてもはっきりしていて物語をストレスなく読めましたし、なにより双子の姉妹だからこその距離感が会話から伝わってきて、とても心地よかったです。
次々と訪れるちょっとした事件
もちろんこれはミステリですので、物語の骨格となっている事件にも触れていこうかと思います。
本格派と謳うだけあって、「いやこれ先の展開明白だろ」みたいな事件や破綻しているロジックは、僕には見受けられませんでした。遠回しな言い方になってしまいましたが、ミステリとして面白かったです。
ただ、「本格派」というのには少し引っかかるかなと。僕の感じ方・ニュアンスの取り方の問題ですが、「本格派」と言われると、「名探偵的存在がスマートに難事件を解決する」イメージになります。
ですが、この作品はそういうコンセプトでもないし、「本格派」ではないかなと思ってしまいました。そういうつもりで臨むと、拍子抜けしてしまうかもしれません。別にこの話は作品の面白さには影響しませんが、あらすじ読んでいて引っかかったので一応。
ともかく、近年のライトノベルラブコメの中では、ミステリとしてとてもきれいに仕上がっている作品だと思いましたね。
最後に
ぶっちゃけ舐めてました。どうせまた、安っぽいミステリ要素を入れたラブコメなんだろうなーと思って読みましたが、結構しっかりとしたミステリでラブコメ要素も違和感なく混ざり合っている。いや面白かったです。
2巻からの展開も気になるところです。まだ読んでない人はぜひ読んでください!
今回はここらで終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
まとめ
ジャンル:ミステリ/ラブコメ
面白さ:★★★★☆
一言:放課後、美人姉妹と解いていく日常ミステリ