それでも、好きだと言えない【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『それでも、好きだと言えない』の感想を語っていきたいと思います。
自分の思いを声に出すこと
読後、僕はこの作品にハッとさせられました。もちろん、内容としても非常に面白い内容でしたが、それ以上に自分の日常を振り返るきっかけとなったのです。
自分の本心を言葉にして伝えるというのはなかなか難しいことで、それは自分がコミュニティをもたない場所であればあるほど顕著に現れます。本作の主人公・有馬も人とコミュニケーションをとるのが苦手な高校生でした。
有馬というキャラクターに、僕は感心しましたね。この手の作品ですと、コミュ障と言っておきながらそうでもなかったり、友達ができると割とすぐ馴染めたりする、言わば「なんちゃってコミュ障」みたいなキャラクターが多いように思います(個人の感想です)が、彼はかなりリアルに寄ったコミュ障として描かれていたと思います。
理不尽なあたりや軽いいじめなどに対し、傷つきながらも「コスパが悪いから」といって自己防衛しようとする。どうせなにをやっても無駄だという諦めが有馬にはありました。
そんな中で現れたのがレイナでしたね。彼女は有馬の心の中にするりと入り込み、いつでも彼の味方でいてくれました。本心が言えない彼を叱咤し、傷ついたときは優しく慰めて支えてくれました。
本心を人に伝えるのは、時には勇気が要るとても難しいことです。一方で、本心を伝えないという決断もときには難しい。
僕は適切に、本心と建前を使い分けられているだろうか。この作品の中で成長していった有馬のように、誠実に生きられているだろうか。そんなことを思わされた作品でした。
最後に
あとがきによると『好きだと言えない』理由は七つあるそうですが、分かりましたか? 僕は自信がありません(笑) 皆さんはぜひ探してみてください。