明日もきっと、ライトノベルと

読んだラノベの感想・レビューを載せています。面白かったもの、刺さらなかったもの。両方とも基本的にはレビュー作っていきます。楽しんでもらえれば幸いです!

オーバーライト2【感想・レビュー】

 どうも、にまめです。今回は、『オーバーライト2』の感想を語っていきたいと思います。

f:id:nimamega:20201021212739j:plain

ブーディシアやグラフィティ・クルーたちとの出会いによって音楽活動を再開したヨシ。そんな彼の元にかつてのバンド仲間、ボーカルのネリナが現れる!

「ヨシの音楽には、魂がない」―ヨシの音楽に迷いを生じさせ、日本を離れる原因となった歌姫の突然の来訪。気まぐれな態度でヨシを惑わす少女の真意は?

一方、クリスマス間近の街ではグラフィティを否定するミュージシャンの宣戦布告をきっかけにグラフィティ排斥の動きが激化!“Z”を名乗る謎の人物によって街中のグラフィティが上書きされてしまう!

傷つけられたブーディシアのグラフィティ、立ち上がったララ率いる“女王熊の復讐”。

ブリストルの未来、そしてヨシをめぐる三角関係の行方は?

燃えよ、クリスマス

 まず一言。驚きました

 1巻の内容は前回のレビューにも書いたように、面白かったです。ですが、どこかテンポが悪く、流れがぶつぎりになっているような、そんな印象が少しありました。しかし、この2巻は大変読みやすく、作品としてきれいにまとまったものになっていたと思います。

 さて、今回はグラフィティだけでなく、音楽という文化も絡んでくることになりました。ブリストルならではの音楽。作者もあとがきで触れていますが、グラフィティの聖地と言われているくらいのブリストルですから、音楽との結びつきは強固なものでしょう。ストーリーはその対立を描いていて、物語はそこから見えてくるキャラたちの芸術への姿勢が表現されていました。

 ヨシ、ブー、そして新キャラであるネリナ、ガブリエル……その他にもアーティストたちは出てきますが、それぞれに各々の考えがあって、それを表現するものがありました。キャラクターたちは物語の中で、自分の中にある芸術に対して考えさせられることになります。表現者にとって、表現することの意味・表現するものの意味は非常に大切なことです。アーティストたちの葛藤に対して切り込んだ内容となっていて面白かったなと思います。

 欲を言えば、ラストの展開がもう少し意外性があればなと思いました。この作品は、もっと高いところまでいけるポテンシャルを持っていると思います

 

最後に

 とても面白い内容でした。あとがきで書かれていた、「1巻を上書きできていたか?」という言葉がありましたが、まさにオーバーライトされていたと思いました。よかったです。

 

www.amazon.co.jp

ひきこまり吸血鬼の悶々3【感想・レビュー】

 どうも、にまめです。今回は、『ひきこまり吸血鬼の悶々3』の感想を語っていきたいと思います。

f:id:nimamega:20201020172305j:plain

青い空。白い雲。ようやく得られた休暇で海辺のリゾートを満喫するコマリ。そんな吸血姫の前に一人の少女が現れる。

「一緒に世界を征服しない?」剣の国の将軍ネリアから、とんでもないお誘いを受けてしまった!

その一方で別の国家、天照楽土からも外交使節が来訪。「一緒に世界を平和にしませんか?」

東国の最強将軍と噂される和風少女カルラは、まったく逆の提案を投げかけてくるのだった。各国の思惑は錯綜し、やがて世界を巻き込む大戦争へと発展!

夏休みから急転直下、戦局の鍵を握る立場となってしまったコマリ。ひきこまり将軍が新たな時代を切り開く!?

平和な世界に

 今回は今までよりもシリアスパート多め、内容も濃いめの内容となっていました。要所要所にちょっとしたギャグを挟みつつ、基本的には勢いのあるファンタジーものとしての展開となってます。

 よかったですね。良作だと思います

 正直、驚きのある展開だとか予想もしなかった出来事が起こる、みたいな新しさはなかったです。ですが、一つの芯のある物語として地が固まった面白い内容となっていたと思います。

 やはり、3巻まで読んで思ったのは、この作品全体を引っ張り、面白い作品に仕上げている要素は主人公のコマリですよね。

 言ってしまえば、コマリは最強系の主人公。その烈核解放はあらゆる者をねじふせるほどの力を持ちます。物語のクライマックスでは彼女の力が解放され、勧善懲悪というかたちで事件が解決されます。

 僕は最強系があまり好きではありません。ともすればこの作品も苦手になりそうなものですが、ところがどっこいそうではない。

 コマリはいつも、自分の最強に対して無自覚です。その上で、いつもなにかに立ち向かおうとする姿を見せてくれます。彼女は気弱で引き籠もり体質ですが、とても純粋で優しい心を持っていて、自分の気持ちに素直ないい子です。

 物おじせず、間違ったことを間違っていると言える。本当に、勧善懲悪ものの主人公らしい姿。まさにヒーローの主人公だと思います。

 そんな彼女だから、応援できる。そして、その最強たる姿も、待ち望んでいたヒーローの姿としてかっこよく映るのです

 それが、今回のお話では強く表れていたと思います。僕は読み進めていく中で、どこかでコマリが最後にすべてを覆してくれることを待ち望んでいました。それがうまく流れとして組み込まれていて面白かったです。

 

最後に

 だいぶメタ的な感想になってしまいましたが、3巻面白かったです。こうシリアスなのもいいですね。

 

www.amazon.co.jp

ひきこまり吸血鬼の悶々2【感想・レビュー】

 どうも、にまめです。今回は、『ひきこまり吸血鬼の悶々2』の感想を語っていきたいと思います。

f:id:nimamega:20201020104211j:plain

「ごめん。お前、誰だっけ?」コマリが意図せず煽ってしまったのは七紅天大将軍の一人、フレーテ・マスカレール。これがきっかけで事態はどんどんエスカレートし、ついに将軍同士が覇を競う「七紅天闘争」にまで大発展してしまう!

敵となる将軍どもは手ごわいヤツばかり…かと思いきや、コマリは新たに七紅天となった少女、サクナと打ち解ける。文学趣味で、コマリのことを「姉」と慕うサクナは、コマリ以上に内気で気弱な子だった。

一方その頃、宮廷内では要人暗殺が横行。さらにはヴィルがサクナに微嫉妬したりと、コマリの周囲は大さわぎ。

コマリの平穏な引きこもりライフは、はたしてどうなる!?

前に進むために

 今回も楽しく読ませてもらいました。ひきこまりを読んでていて思うのは、とにかくメリハリが利いていて読みやすいということですね。

 コメディパートが特に好きですが、シリアスパートも作りこまれており、その書き分けがはっきりされているからこそ読みやすく感じるのだと思います。読んでいてストレスをまったく感じませんし、うまく一つの作品として調和していますよね。

 それはさておき、とにかくコマリがかわいい。いいキャラしてますよね。特にヴィルとのやり取りはクスッとしてしまうこと請け合いです。このコメディほんと好きなんですよねー。

 それに、とても純真無垢なところが伝わってくるのがいいです。彼女は暗部とでも言うべきところをまだ本質的に認識していない節があります。そんなよくわかってない中でも、あるものに対してリアクションをするとき、自分の気持ちの中で素直に正しいか、間違っているか。それを言葉にし、行動できるところがコマリの魅力なんでしょうね。

 そして、今回のシリアスパート。ありがちなパターンではありましたが、心を打たれるような描き方になっていたと思います。独自性ではないですが、キャラに感情移入できるだけのしっかりとした作りになっていたのではないでしょうか? 少なくとも、僕は引き込まれましたね。

 

最後に

 面白かったです! まだ3巻が積まれているので消化しちゃいたいと思います。それでは。

 

www.amazon.co.jp

世界征服系妹【感想・レビュー】

 どうも、にまめです。今回は、『世界征服系妹』の感想を語っていきたいと思います。

f:id:nimamega:20201020102531j:plain

いきなり身内話になるが、妹の檸檬はとんでもないことを言い出す天才だ。だからある日の朝に興奮した顔で妙なことを言い出した時も、『ああ、またか』くらいの気持ちで聞いていた。

妹曰く―「あたし、異世界のお姫さまだったみたい!」、なのだとか。封印されていた力が覚醒した妹は、国際会議に乗り込みドラゴンを召喚して政府高官たちを震え上がらせ、さくっと世界各国の軍事施設を掌握し―あっという間に世界の頂点に君臨してしまった。

世界を征服した妹の兄である俺はというと、日本政府に泣きつかれ、妹の制御(ご機嫌取り)を頼まれたのだった…。

ハイテンション妹が魅せる日常系

 いや、まったく。なんだよ。すごい面白かったじゃないですか! もともと注目していた作品ではありましたが、予想を超えて楽しめたと思います。

 大部分はまるで違いますが、涼宮ハルヒの憂鬱』を思い出す構図でしたね檸檬という非日常の存在が物語を動かし、太一が狂言回しをする日常系。この作品は、異世界のお姫様というトンデモ事実が発覚してもなお、その範囲内で温かな日常が描かれていたところに面白さの妙があったと思います。

 また、上月司らしいテンポのいいコミカルさで飽きさせられません。すらっと読めたところも個人的に評価が高いです。

 あと、珍しく「正しい兄弟」が描かれていましたよね。義妹でしたが、恋愛関係ではなく強い家族関係。その愛情のなんたるかがよく描かれていたと思います。そこも個人的にはポイント高かったですね!

 

最後に

 日常系が好きな人にはぜひオススメしたい作品でした。興味があればぜひ購入して読んでみてください!

 

www.amazon.co.jp

 

好きで鈍器は持ちません!【感想・レビュー】

 どうも、にまめです。今回は、『

f:id:nimamega:20201019141447j:plain

―あなたの胸に、輝く鈍器はありますか?

私、ハンナ・ファルセットは冒険者になるのが夢の、いたって普通な女の子。でもどんくさすぎて同級生や理事長に馬鹿にされ、学園から追い出されてしまいます。餓死寸前まで追い込まれ、たどり着いた工事現場。そこでハンマーを手にした瞬間、才能が開花!

鍛冶や建築はもちろん、戦闘にだって使える“鈍器スキル”を身につけたからには、華麗に成り上がってみせますよ。竜を倒したり、店を建てたり、国を救ったり―鈍器の、鈍器による、鈍器のための冒険譚が始まります!

ちなみに本当は剣を使いたかったというのは…、決して言わないお約束です!

鈍器で最強

 はじめに断っておくのですが、もともと僕はあまり最強系作品が好きではありません。その前提で読んでいただければと思います。

 鈍器持ちが差別されているとか、母親が伝説の剣士である、みたいな設定はすごく面白いと思ったんですよね。それだけでハンナのキャラ性とか世界観とかがひとつの個性として表れていますから。

 ただ、いかんせんご都合主義全開の展開で萎えちゃいましたね……。

 最強成り上がり系なのはわかりますが、それにしてもあらゆることがあっさりと解決しすぎだと思ってしまいました。薬屋、同級生との確執、果てには鈍器持ちに対する差別まで。

 その上、ハンナはなんの努力もしていないじゃないですか。不憫な境遇で、剣術を必死に練習していたのはわかります。しかし、それとはまったく別のところで無双しているし、成長が見れたというよりは、周りを力で納得させたという感じでなんだか腑に落ちませんでした

 

最後に

 もう少し武力で解決できない感情のところにドラマを含ませてほしかったなと思ってしまいました。

 

www.amazon.co.jp

 

呪剣の姫のオーバーキル【感想・レビュー】

 どうも、にまめです。今回は、『呪剣の姫のオーバーキル』の感想を語っていきたいと思います。

f:id:nimamega:20201019140033j:plain

儀仗鍛冶師を夢見る少年テアは、王都への道中、オークの群れの襲撃を受ける。あわやというタイミングで現れたのは、奇妙な骨面をつけた女剣士だった。

彼女は瞬く間にオークらを惨殺、惨殺、惨殺!!!必要以上にオーバーキルしてしまう!

「なにもそこまで…おぇぇ」「ブタどもは群れると厄介だからな」

―彼女の名はシェイ。呪属性武器を扱う凄腕の討伐者らしい。テアは、野戦鍛冶の腕を買われ、なかばムリヤリ彼女の専属鍛冶師となるが…?

悪鬼も哭かせるオーバーキリング・スプラッタ無双、ここに開幕!

キャラが面白い

 この作品を読んで真っ先に思ったのは、キャラが結構印象に残るなと。テアは一般人に見えても情熱的な鍛冶師で、シェイは勇猛果敢で強いがどこかずれたところのある美少女。ぐいぐいくるエルフのエレミアなど、キャラにしっかりと個性があったと思います。そして、パーティの空気感も雰囲気が出ていて、なかなか見ごたえがあったのではないかなと思います。

 戦闘シーンもラストは熱かったですね。ともすれば難しい戦わない鍛冶職の主人公でしたが、それでもシーン映えする活躍を見せてくれました。

 ただ個人的には、スプラッターな世界観にしては描写のタッチが軽すぎたかなと思いました。良くも悪くもファンタジーの世界観はしっかりと表現されているのですが、呪いやグロ描写が出てくる割には、ライトなファンタジー世界のタッチだったので、どうにもそこの違和感が拭えませんでした。ここをどうとるかは、読み手次第ですね

 

最後に

 総合的に面白かったと思います。なにより鍛冶の設定が作りこまれていて、その世界観を味わうことができました。

 

www.amazon.co.jp

 

毎日死ね死ね言ってくる義妹が、俺が寝ている隙に催眠術で惚れさせようとしてくるんですけど……!【感想・レビュー】

 どうも、にまめです。今回は、『毎日死ね死ね言ってくる義妹が、俺が寝ている隙に催眠術で惚れさせようとしてくるんですけど……!』の感想を語っていきたいと思います。

f:id:nimamega:20201019133655j:plain

高校生にしてライトノベル作家である市ヶ谷碧人。義妹をヒロインにした小説を書く彼は、現実の義妹である雫に毎日死ね死ね言われるほど嫌われていた。

ところがある日、自分を嫌ってるはずの雫が碧人に催眠術で惚れさせようとしてくる。つい碧人はかかってるふりをしてしまうのだが、それからというもの、雫は事あるごとに催眠術でお願いするように。

お姉さん系幼馴染の凛子とも奪い合いをし始めて、碧人のドタバタな毎日が始まる。

ツンツン妹が催眠をかけてくる超異色ラブコメ開幕!

ブッとびヒロイン

 すごく性癖に刺さりました(笑)。ぶっちゃけ万人に勧めたいと思う作品ではありませんが、タイトルを読んで自分が好きそうだなと思ったら、ぜひ読んでほしい作品でしたね。

 さて、とにかくヒロインが変態な作品でした。そのおかげか、コメディパートが引き立っていてとても楽しめました。いやあ、いくらなんでもやばすぎでしょう。細かいところはぜひ本作を読んでいただきたいのですが、とにかくぶっ飛んだ義妹でした。

 深く考えるにはちょっと薄いかなとも思いますが、催眠術による罪悪感からキャラの成長を描いていくという構図も面白かったです。このテーマがあることで、全体のお話がうまくまとまっていた感じがありますね。

 兎にも角にも、コメディとして大変尖っていて面白い作品だったと思います。ラブコメに関しても、重めのツンデレヒロイン大好きなので性癖に突き刺さったという感じです。よかった。

 

最後に

 うーん、オススメかどうかは難しいところなんですよねえ。僕は少なくともよかったです。ただ勧めづらいというか……かなり評価が分かれるところだとは思います。

 

www.amazon.co.jp