オーバーライト2【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『オーバーライト2』の感想を語っていきたいと思います。
燃えよ、クリスマス
まず一言。驚きました。
1巻の内容は前回のレビューにも書いたように、面白かったです。ですが、どこかテンポが悪く、流れがぶつぎりになっているような、そんな印象が少しありました。しかし、この2巻は大変読みやすく、作品としてきれいにまとまったものになっていたと思います。
さて、今回はグラフィティだけでなく、音楽という文化も絡んでくることになりました。ブリストルならではの音楽。作者もあとがきで触れていますが、グラフィティの聖地と言われているくらいのブリストルですから、音楽との結びつきは強固なものでしょう。ストーリーはその対立を描いていて、物語はそこから見えてくるキャラたちの芸術への姿勢が表現されていました。
ヨシ、ブー、そして新キャラであるネリナ、ガブリエル……その他にもアーティストたちは出てきますが、それぞれに各々の考えがあって、それを表現するものがありました。キャラクターたちは物語の中で、自分の中にある芸術に対して考えさせられることになります。表現者にとって、表現することの意味・表現するものの意味は非常に大切なことです。アーティストたちの葛藤に対して切り込んだ内容となっていて面白かったなと思います。
欲を言えば、ラストの展開がもう少し意外性があればなと思いました。この作品は、もっと高いところまでいけるポテンシャルを持っていると思います。
最後に
とても面白い内容でした。あとがきで書かれていた、「1巻を上書きできていたか?」という言葉がありましたが、まさにオーバーライトされていたと思いました。よかったです。