育ちざかりの教え子がやけにエモい2【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『育ちざかりの教え子がやけにエモい2』の感想を語っていきたいと思います。
【それぞれの恋】
1巻のラストでひなたが達也に想いを伝えたわけですが、「2巻からひなたと達也がひたすらに禁断の恋の駆け引きをしていく、みたいな話になったらどうしよう」と不安な気持ちでいっぱいでした。
その不安を、素晴らしい形で払拭してくれましたね。あっぱれでございます。
今回はラブコメらしく、恋をテーマにキャラ達が描かれていました。前回登場した菜月や彩夏、美憂などがより深く描写されていましたね。達也とひなたの関係ではなく、女子中学生たちのグループを中心にお話が描かれていたと思います。
人によって性格から好み、そもそも恋することの意味までまるで違うわけで、恋愛への姿勢というのは人の数だけ様々あると思います。このお話は、それが顕著に表されているお話だったのではないでしょうか。しかも、彼女たちは思春期真っただ中。それぞれが恋愛に対していろんなことを考える時期でしょう。
だからこそ、彼女たちの恋愛観を通して、その人となりをうかがえたと思います。それぞれのキャラの内面が見れた気がして、とてもよかったです。
達也の方も進展がありました。こちらは告白なんてもので一喜一憂しない、年長者を感じさせられる恋愛が描かれていましたね。2巻で思ったより踏み込んでいて正直驚きました。もうそこまで出しちゃうんだと。今後ひなたと達也の関係にどのような影響を及ぼすのか楽しみですね。
最後に
2巻も非常に面白い内容でした。無駄なテコ入れはなく、前巻で登場したキャラたちがより丁寧に描かれていてより物語に深く入れた気持ちになりました。よかったです。
育ちざかりの教え子がやけにエモい【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『育ちざかりの教え子がやけにエモい』の感想を語っていきたいと思います。
椿屋ひなたという少女
素晴らしい、とても面白かった! とまずはひとこと言わせてください。超よかったですよ。すごく面白かった。
なんて言えばいいんでしょう。「エモ×尊みラブコメ!」とあらすじでは銘打たれていますが、それはなにかしっくりとこないんですよね。それよりは、学校という空間と思春期の子どもたちの多面性を椿屋ひなたという少女を中心に描き切った、青春小説だと僕は思ったんです。2巻以降どうなるかわかりませんが、少なくとも僕はそういう楽しみ方をしました。
この作品では、大きく3つの視点がありました。一つは教師でありお隣さんである達也の視点。一つは同級生である手島の視点。そして最後に、少しだけ出てきましたが小学生である陽一の視点。
この3つの視点から椿屋ひなたを見つめていくことで、ひなたの様々な姿を見ることができたと思います。同時に、学校という空間の見方も様々なかたちで伺えたかと思います。そうやって、思春期という特殊な時間について深堀されている内容こそが、この作品の魅力だったのではないでしょうか。
またひなたもいいキャラクターでしたよね。中学生にしては大人びていて、達観している他とは違う少女。先ほど3つの視点から様々な姿をうかがえたと言いましたが、彼女が浮世離れした存在であるという評価は、子どもから大人まで共通していました。それほどまでに不思議な魅力を持った少女なのです。そしてそれは、文章の妙やキャラクター作りから僕たちにも伝わってきますよね。
ともかくも、ラブコメと言うよりは結構思春期に生きる人間をがっつり描いた話なのではないかなと思いました。そして面白かった! 面白かったですよ!
最後に
最後のランボーの詩のくだりに関してはとても気になるところですよね。自分なりの解釈は用意できてませんが、そこを考えるのも面白そうだなと思いました。これだけの作品であれば、真剣に考える価値もあるでしょう。それでは。
美少女と距離を置く方法【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『美少女と距離を置く方法』の感想を語っていきたいと思います。
一人であること
面白いラブコメでしたね。単にぼっちがラブコメをするという話ではなく、ぼっち自体がテーマとなった物語になっていました。
具体的になにがよかったかというと、ぼっちがぼっちのまま成長したというところ。主人公の楠葉は自分のひねくれた性格を理解していて、他人とかかわるのが面倒といことであえてぼっちという立場を維持しています。そんな彼が、橘という少女と出会ったことで、少しずつなにかが変わっていく。ですが、ぼっちであることを選んだ彼の本質的な部分を捨てるわけではなく、そのままの彼で変わっていく。そこが面白かったですね。
まあそんな話はさておき。
橘もかわいらしかったですね。彼女もぼっちとは言わないまでも、楠葉と同じくひねくれた性格で基本一人で行動することを好む少女でしたね。そんななかで、気心の知れる男性である楠葉と出会い、好意を寄せていく。その過程がなんともかわいらしかったというか微笑ましいというか。よかったです!
最後に
ストーリー的には自分の中身に気づいてくれる人と出会い成長するという、少々受け身な成長物語でしたが、ラブコメとして面白い作品だったと思います。さて続きはどうなるんでしょうか。
わたし以外とのラブコメは許さないんだからね【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『わたし以外とのラブコメは許さないんだからね』の感想を語っていきたいと思います。
希墨くんかっこいい
はっきり言いますと僕にはあまり刺さりませんでした。見出しにもある、希墨くんがかっこいいくらいしかあまり感想が出ないかなと。
ヒロインであるヨルカはかわいかったですね。僕、ツンデレというかガードが堅いデレヒロインってめっちゃ好きなんですけど、ラストが個人的にはあまり受け入れられなかったですね。ツンデレとかを越して自分勝手すぎる感じを受けてしまったというか、そこだけは破っちゃいけないだろうと。フォローの仕方も雑な印象を受けましたし、ちょっと希墨くん優しすぎるんじゃないかと思ってしまいました。
つまらないわけではなかったのですが、よくも悪くも普通といった感じだったでしょうか。強いて言えば、あれだけ好きを伝えられる主人公というのが珍しかったかなと。コンセプトとしてそれを売りにしている作品は存在しても、素でこんな主人公のキャラ付けをしているのは中々ないのではないかなと思います。
最後に
否定的なレビューになってしまいましたが評価が高い作品ですので、購入されていない方は他の方のレビューも読んでみて考えるのが吉だと思います。あくまでこれは僕の感想と言うことで。あしからず。
死呪の大陸【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『死呪の大陸』の感想を語っていきたいと思います。
※ネタバレを多分に含みます。ご注意ください。
王道×邪道
タイトルを読んだとき、コテコテのダークファンタジーものなのかなと思っていましたが、そんなことはなかったですね。物語の進行・展開は王道ファンタジーそのものでした。しかし、戦う理由は地位や名誉でもなく、胸躍る冒険も待ち構えていません。全ては悲劇を覆すため、弟を救うためにシキは歩み続けます。
そんなわけで、とても不思議な気持ちになりました。おっと、これは妙な読後感だなと。いい意味でですよ。
メタ的なコメントになってしまいますが、この物語はW主人公ものとしても楽しめるのではないかなと思いました。もちろんシキは主人公ですが、同時にエヴィルも主人公格の登場人物でしょう。彼の過去はまだ判明していませんが、シキとはまた異なる冒険の在り方があるはずです。推測するならば、先祖の名誉のためとかかな。わかりませんが。
前置きがだいぶ長くなってしまいましたが要するに、シキとエヴィルとではかなり世界観が変わってくるのではないかと。シキは復讐と呪いという要素を持った邪道ファンタジー寄りの主人公で、エヴィルは明るく名誉のために戦う王道ファンタジー寄りの主人公。そう考えると、なんだか不思議な物語の進み方・世界観だったのも納得いくかなあと。そんなふうに思いますね。はい。
さて、こんなところでストーリーについて触れていきましょう。
世界観がつまびらかになっていき、最後に怒涛の伏線回収。どんでん返しの連続と白熱するバトルの描写には圧倒されましたね。どんな展開になるのか全く予想がつきませんでしたし、最後まで楽しむことができました。
さらに、それぞれの人物が深堀されていたのがよかったですね。特にクライマックスのダクティルのシーンはよかった。じっくりと描かれていた彼の葛藤や人間性、そして成長が一つのカットに凝縮されていて、見ごたえがあるラストに仕上がっていました。
要するにおもしろかったってことです。
最後に
頭からケツまで満足できる作品だったと思います。また、がっつりハイファンタジーで面白い新作が読めてうれしかったですね。まだ読んでいない人にはぜひおすすめしたいです。
反撃のアントワネット!【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『反撃のアントワネット!』の感想を語っていきたいと思います。
久々のギャグラノベ
笑えましたね。いやー好きですよ僕、こういうの。くだらなくて最高ですね。
最初、展開がとても早くて理解するのに時間がかかりましたが、コメディとしてレベルの高い作品だったのではないでしょうか?
全員が全員みみっちく、そして変人。その上突出した能力のない凡人たち。そんな中で明日を生き抜くためにドタバタコメディを繰り広げていくというお話なのですが、会話の行間や掛け合いにセンスがあってとても楽しめました。面白さを語れと言われるとぶっちゃけ難しいです。レビューなのにね、すいません(笑)。
ともかく、結構王道のギャグコメディになっていたと思います。ただ、設定が活かしきれていなかったり、若干他作品と雰囲気が似ていたりと、思うところはあります。ですが、面白かったのでオールオッケーです。無問題。
最後に
このレビューを作るにあたってAmazonレビューをちらりと見たのですが、思ったより低くて悲しかったですね……。この作者さんの『明日から俺らがやってきた』とか大好きなんですけれども……いやあ、続きが出てくれると嬉しいですね。
我が魔道書は此処に在り【感想・レビュー】
どうも、にまめです。『我が魔道書は此処に在り 没落貴族と魔道学院』の感想を語っていきたいと思います。
新たな魔法学園もの
王道を征く作品という感じでしたね。ラノベでの「魔法学園もの」をしっかりと踏襲していたと思います。
魔法ファンタジーも数ありますが、この作品での題材は『魔道書』と『成り上がり』といったところでしょうか。ただ成り上がりとはいえ、あからさまなどん底というわけではなく、あくまで没落してしまった家名の復興という、比較的ポジティブな成り上がり要素でした。
特に魔法の見せ方は面白かったですね。本作の魔法は理論的なものがあるらしく、所有する魔道書によって個性があります。その違いの見せ方というのが面白く、いい魔法ファンタジーの世界観となっていたのではないでしょうか。
主人公とヒロインの関係性や学園内での関係の作り方、展開の進み方など、どれも面白かったと思います。読みやすく、つまるところもありませんでした。しかし、これといったインパクトがなかったかなあと。良くも悪くもうまくまとまっていました。
最後に
まだまだ謎の多い部分があります。これからどんどん話が広がっていくことになると思いますが、それがどうなっていくのか楽しみにしていたいと思います。