楽園ノイズ【感想・作品紹介】
最近は必要以上に寝てばかりでどうしようもないですね。睡眠は気持ちいですが、寝すぎると時間を無駄にした気がして後悔してしまいます。悲しい。そんなわけでどうも、にまめです。今回は、『楽園ノイズ』の感想を語っていきたいと思います。ネタバレなしです。
あらすじ
(上記参照)
こんな人にオススメ!
・丁寧な文章で描かれた文字と音楽の世界に浸りたい!
・音楽を愛する高校生たちの、青春の一幕を見たい!
変態作曲家・Musa男/主人公の村瀬真琴
Musa男とは、主人公である村瀬真琴がネット上で名乗っているハンドルネームです。真琴は、オリジナル楽曲を作っている作曲系の動画クリエイターでしたが、再生数が伸び悩んでいました。そこで始めたのが、女装。真琴の女装はクオリティがとても高く、瞬く間に再生数は伸び、それなりに名前が知られるようになります。
しかし、真琴は女装することで視聴数の伸びるネットにどこか不快感も覚えていました。それでも、自分の作った楽曲を見てもらうために、Musa男は女装を続けるのです。
自分の楽曲にこだわりを持つ、音楽に真剣な高校生。自分の楽曲を世に出すために女装クリエイターとして活動していた真琴が、音楽の才覚を持ち、そして音楽を愛する人たちに出会い、彼の心の奥底にある悩みが見えてくる。
この作品のテーマはとてもはっきりしていて、物語自体も真っすぐでした。なので、熱い中にも爽やかさがあり、ボーイ・ミーツ・ガールズ作品として完成度が高かったです。
たくさん出てくる女性キャラもまた個性が強く、真琴との絡み方もとても面白かったので、どんな人たちが出てくるのかはぜひ読んで確かめてみてほしいですね
誰かとともに弾く音楽
杉井光といえば、前作の『さよならピアノソナタ』が有名だったように、音楽を題材にした作品に関しては定評がありました。今回も、その弾いているさまを想像できるように音楽が描かれていて、ストレスフリーでした。
さて、この『楽園ノイズ』はバンドがテーマになっていますが、バンドと言っても、多くの人が思うように、最初っからバンドを組むわけではありませんでした。それよりも、全体のイメージとしてはセッションの方が正しいと思います。
作中で、キャラクターたちにはそれぞれに悩みがあります。その悩みは様々ですが、彼女たちはその殻を、真琴と出会うことで破らんとするのです。そして、彼女たちのそばにはいつも音楽がある。
人を震えさせる音楽。そして、音楽をやることの楽しさ。そういったものが文章とメロディに乗って心の中にするりと入ってくる。僕も音楽をたしなんでいる身として共感できる部分も多く、満足できる読後感でした。
最後に
クライマックスには感動できる、熱い音楽の物語が読めたと思います。音楽に興味がない人でも楽しめる内容になっていると思うので、ぜひ読んでいただきたいですね。今回はここらで終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
まとめ
ジャンル:青春/ラブコメ/バンド
面白さ:★★★★★
一言:音楽を愛し、音楽に愛された少年少女たちの出会いの物語