明日もきっと、ライトノベルと

読んだラノベの感想・レビューを載せています。面白かったもの、刺さらなかったもの。両方とも基本的にはレビュー作っていきます。楽しんでもらえれば幸いです!

スパイ教室02【感想・レビュー】

 どうも、にまめです。今回は、『スパイ教室02 《愛娘》のグレーテ』の感想を語っていきたいと思います。

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不可能任務を見事成功させた新生スパイチーム『灯』。次のミッションは冷酷無惨のスパイ殺し『屍』の排除。より過酷な任務に、クラウスは最強のメンバーを選抜する。

しかし、「あぁ、残念ながら、今回の任務には八人全員を連れていけない」選ばれたのは実力に不安の残る四人の少女。

「現時点における――『灯』最強の四人で暗殺者に挑もう」

そう告げるクラウスの真意は――? またメンバーの一人は、そんなクラウスに抱く恋慕が暴走していき――。クラウスが仕込んだ「嘘」が明かされる時、少女たちの真価が試される!

師弟としてあるべき姿

 前回は《花園》のリリィ、今回は《愛娘》のグレーテという副題でしたので、やはりというべきか、少女たちの中でグレーテに焦点があてられたお話となっていました。

 彼女は変装のプロ。老若男女問わず、どんな人物にも変装することができる――しかし、男性恐怖症のため、その真価が発揮されるところが限られている。というのが、今回詳しく明かされたグレーテのスパイとしての情報でした。

 グレーテ自身についてですが、おしとやかで言葉数少ない印象でしたが、クラウスに対するアプローチには目を見張るものがありましたね。リリィとクラウスの絡みも面白かったですが、クラウスが圧されてしまうグレーテとの絡みも非常に面白かったです。

 さて、今回のお話は、師弟の関係性・信頼関係というところに主軸が置かれていたのではないかと思います。それは、オリヴィアとグレーテの対比、グレーテのクラウスへの想いを描いているというところにも表れていると思います。

 

「ローランドが教えてくれなかった……私を愛してくれたのに……」

「そうか。お前が負けた理由がよく分かったよ」

 

 これは終盤のシーンでのやり取りですが、さすがのクラウスでも、感覚的ではなく明白にオリヴィアの脆弱性に気づくことができたようですね。

 オリヴィアとローランドの関係性というのは、一方的に与える側・与えられる側でした。それは、戦い方などの技術面と戦う理由などの精神面の両面で。

 一方で、グレーテたちとクラウスの関係性というのは、決して一方的ではないです。グレーテたちにもクラウスにもスパイとして戦っていく覚悟がそれぞれにありますし、その上で彼女たちはクラウスから教わるだけではなく、自らで考えていく向上心がありました。そこが、スパイとしての力量の差に繋がったのかもしれませんね。

 グレーテの想いも、最終的には実りませんでした。しかし、それは彼女にとってもよいことだったのかもしれません。クラウスはきちんと彼女の想いに応え、そして彼なりの誠意を見せました。

 グレーテの恋愛とクラウスの家族愛。一見かみ合っていない感情ですが、それをお互いに言葉にしたことで、この関係はより強固な信頼関係に昇華したと言ってもいいのではないでしょうか。僕はそう思います。

 

最後に

 今回も引き込まれる展開でした。とても面白かったです。ラストが非常に気になる展開でした。いったいどうなってしまうのか……!

 

まとめ

総評:★★★★☆

 

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