さいはての終末ガールズパッカー【感想・レビュー】
お金がないです。切実です。本買いたい買いたい買いたい! 限界状態ですがどうもにまめです。今回は、『さいはての終末ガールズパッカー』の感想を語っていきたいと思います。
君と生きたい
滅びゆく世界。個人的にディストピアものが好みで、本作も自分の好みにとても刺さりました。藻野多摩夫と言えば、『オリンポスの郵便ポスト』(電撃文庫)も非常に面白く、彼の世界観が非常に色濃くでた内容となっていました。
戦争の爪痕がいたるところに残り、温もりを奪われた雪一面のセカイ。そんな中で、人形技師見習のレミと片腕の動かない自動人形”オートマタ”のリーナが、ラジオの声を頼りに楽園と呼ばれる場所を目指します。
世界観の作りこみと、そこで描かれるロボットや人間の営みが非常に面白い作品でした。中でも蒸気機関車を巡るお話は、レミとリーナの考え方や人間性、そして、このセカイの現状などが絡み合い、幻想的かつドラマのある物語に仕上がっていました。
短編連作というかたちをとっている本作は、ひとつ一つのお話でレミとリーナの関係、世界観を描き、最後のお話でそのすべての要素を大きなうねりとともに美しい物語にまとめていました。僕はラストの展開にはあまり納得いっていませんが、お話としてまとまっていると思いました。
最後に
別にハッピーエンドがチープだと言うつもりはありませんが、ハッピーエンドにするにしてももう少しやりようがあったのではないか、と思ってしまうのが正直な感想です。ですが、全体的に世界観・ストーリーともにとても刺さる物語でした。
まとめ
キャラクター:★★★★☆
世界観・雰囲気:★★★★★
展開・テンポ:★★★★☆
設定:★★★★☆