落第魔術師を伝説にするまでの果てなき英雄譚【感想・レビュー】
ボンゴレパスタおいしい。ボンゴレパスタしか勝たん。どうも、にまめです。今回は、『落第魔術師を伝説にするまでの果てなき英雄譚』の感想を語っていきたいと思います。
憧れたのは”大英雄”でした
1000年前にタイムスリップしてしまったしがない盗掘家アランが、憧れだった大英雄グレイの真実を知り、彼女とともに世界を救う冒険に出るお話。
歴史に名を遺す大英雄グレイの正体が、魔法もろくに使えないただの小間使いの少女だった――そんな衝撃から始まる本作ですが、物語の中心たる彼女のキャラクターには非常に愛着が持てました。
小心者ですが態度がでかく、よく無茶なことを口走ります。それで自分の首を絞めているところなんかはまさしくポンコツ。真の姿に思わず失望してしまったアランの心情もお察しですね。
しかし、その内の部分には心優しい少女の姿がありました。誰かのために動くことのできる行動力。それが卑屈さからなのかはわかりませんが、その姿はまさしくヒーローそのもの。普段ポンコツで態度がでかいだけに、そのかっこよさはギャップがあってよかったですね。
そして、あくまでこれはグレイの冒険譚ではなく、アランという主人公がグレイを大英雄にさせるお話。アランは一見主人公らしい設定や性格をしていません。手垢のついた職業と合理的な性格。感情で動かず、あくまで自分の利益のためだけに動くというのが第一印象でしょうか。
ですが、アランには大英雄”不沈の銀月”への強い憧れがありました。彼女のような英雄になりたいと願っていた彼には、とても感情的な、少年のような心がありました。
そんな二人の冒険譚。この物語を読んで、二人の内面にとても惹かれました。面白い物語だったと思います。
最後に
もっとアランに葛藤があるとすごく面白かったのかなーと思ったりもします。ですが、まだまだ伸びしろのあるお話だと思います。今後の展開に期待しながら。
まとめ
キャラクター:★★★★☆
世界観・雰囲気:★★★☆☆
展開・テンポ:★★★☆☆
設定:★★★☆☆