ネクラとヒリアが出会う時【感想・作品紹介】
夏ってマスクが蒸れて嫌ですよね。でもつけなきゃいけないし……辛いところです。どうも、にまめです。今回は、『ネクラとヒリアが出会う時』の感想を語っていきたいと思います。
内面と印象。見えない相手と育む愛情とは
ありのままの自分を好きになってほしい。これは、恋愛において多くの人が望んでいることではないでしょうか。しかし、そうは言っても外見や第一印象というのはどうしても付きまとってきます。本作は、自分の印象に悩むコミュ障二人が、ありのままの自分を見てくれる人を探す物語でした。
主人公は佐倉とゆりあの両方といった感じで、二人の一人称視点が交互に入れ替わりながら話が進んでいきます。二人とも、その見た目は完璧で、並ぶ者がいないほどの美形です。ですが、友だちと呼べる人は一人くらいしかいない極度の人見知り。さらには、噂が独り歩きし、なにもしていないのに嫌われたり、悪評が広まることも。
そんな二人が求めていたのは、自分と同じように人見知りで、自分の内面を見てくれる人でした。そんな中、図書室の棚を挟んだ向こうで出会ったのが、”ネクラ”くんと”ヒリア”ちゃんでした。
姿の見えない相手と、気のおける話ができる。そんな相手に次第に惹かれていく――。しかし、いざ相手が誰であり、どんな人なのかわかったとき、どうなるのか。物語は大きくうねりを上げていきます。
相手の姿が見えない恋愛。それは、ある程度相手に対する期待を形作ってしまうものなのでしょう。本作は、それを温かなタッチで描いていました。
二人のイメージと素のギャップや、人見知り具合もかわいらしく、胸を突き動かされるような感情の揺れ動きも素晴らしかったです。ぜひ、読んでほしい作品ですね。
最後に
柔らかなタッチの中に難しい問題をうまく取り入れた、面白い内容でした。ネクラくんもヒリアちゃんもすごくかわいくて、大満足です。
まとめ
キャラクター:★★★★☆
世界観・雰囲気:★★★★☆
展開・テンポ:★★★★☆
設定:★★★★☆