明日もきっと、ライトノベルと

読んだラノベの感想・レビューを載せています。面白かったもの、刺さらなかったもの。両方とも基本的にはレビュー作っていきます。楽しんでもらえれば幸いです!

声優ラジオのウラオモテ #01夕陽とやすみは隠しきれない?【感想・ネタバレなし】

 声優のラジオですとミーハーですが『碧と彩奈のラ・プチミレディオ』や『この素晴らしいラジオに祝福を!』が好きでした。耳も癒されて話も面白い声優さんのラジオはいいですね。

 そんなわけでどうも、にまめです。今回は、『声優ラジオのウラオモテ #01夕陽とやすみは隠しきれない?』の感想を語るとともに見どころを紹介していきたいと思います。

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「夕陽と~」「やすみの! せーのっ!」 「「コーコーセーラジオ~!」」 偶然にも同じ高校に通う仲良し声優コンビが教室の空気をそのままお届けしちゃう、ほんわかラジオ番組がスタート! でもパーソナリティふたりの素顔は、アイドル声優とは真逆も真逆、相性最悪なギャル×根暗地味子で!? 「……何その眩しさ。本当びっくりするぐらい普段とキャラ違うな『夕暮夕陽』、いつもの根暗はどうしたよ?」 「……あなたこそ、その頭わるそうな見た目で『歌種やすみ』の可愛い声を出すのはやめてほしいわ」 オモテは仲良し、ウラでは修羅場、収録が終われば罵倒の嵐!こんなやつとコンビなんて絶対無理、でもオンエアは待ってくれない…! プロ根性で世界をダマせ! バレたら終わりの青春声優エンタテインメント、NOW ON AIR!!

あらすじ

 佐藤由美子と渡辺千佳は、それぞれギャルと陰キャである。クラスでは相容れない二人の女子高生は、なんと歌種やすみと夕暮夕陽という同じ新人声優だった! 性格から環境からすべてが間反対の二人の気が合うわけもなく、口を開けば喧嘩ばかり。そんな二人がなんと、同じラジオでパーソナリティーをやることに!? 果たして由美子と千佳はラジオを成功に導くことができるのか!

 

こんな人にオススメ!

・声優の仕事に本気で向き合うキャラクターたちの熱い思いが見たい!

・メインキャラたちのクスッと笑える小気味よいトークが見たい!

 

まったく真逆な二人が、それでも通じ合えたものとは

  本作の主人公である佐藤由美子と、彼女のラジオの相棒・渡辺千佳はなにからなにまで全く正反対な人間です。性格、見た目、趣味嗜好、好きなアニメ……挙げればキリがないほど、あらゆる点で彼女たちは真逆なのです。そのせいか、二人は出会った瞬間から口喧嘩が止まらないほど、気が合いません。

 しかし、そんな二人が一緒にラジオのパーソナリティをやることになり、お互いを知らざるを得ない状況になってしまいます。果たして二人の運命やいかに……というのが話の大筋ですね。

 ここまで語ってきたように二人は正反対な人間なのですが、実は根っこの部分で共通しているものがあります。それは――プロの声優であること。

 彼女たちは、大きな役をまだあまり経験したことのない新人声優です。自分たちが憧れたような立派な声優になるために日々精進しています。

 面白いのは、二人の声優としてのスタンスも少し異なっていたことでした。普段はお互いの違う点を罵りあう二人でしたが、声優としての違いをお互いに見た二人はなにを思うのか……それは本作を読んで楽しんでもらうことにしましょう。

 プロであるとはなんなのか。自分が目指すべき場所はどこにあるのか。

 気は合わない。けれど、同じ志を持つ由美子と千佳が、声優という仕事にどう向き合っていくのか。厳しい世界の中でもがく彼女たちの姿に、心打たれること間違いなしです。

 

キャラクターがいいんや

 さて、本作のメインキャラである由美子と千佳ですが、どちらも魅力的なキャラクターに仕上がってましたね。僕は大満足でございます。

 佐藤由美子。歌種やすみという芸名で声優をやっており、明るさやバイタリティの高さが売り。見た目は見るからにギャルといった姿だが、姉御肌で義理人情に厚く、礼儀も正しいしっかり者。

 対する渡辺千佳は夕暮夕陽という芸名の声優で、堅実な演技力が売りの大型新人。その容姿のかわいらしさも含めて人気なのですが、普段は前髪を下ろし、友だちなんて一人もいない根暗ぼっち。不器用で世間知らず、加えておっちょこちょいなところがあるのですが、本人のプライドはとても高い。攻撃的陰キャである。

 それぞれのキャラクターが光っているのは確かですが、ここまで対照的なのもすごいなと思いました。徹底的に真逆のキャラクターに仕上がっていて、設定というわけではなく、こいつらは絶対に気が合わないだろうと納得させられてしまいます。

 また、気が合わないのにもかかわらず、その二人がうまくかみ合うんですよ。これは、二人の力関係がうまくバランスが取れているからだと思うのですが、多少ネタバレを含んでしまうので詳しくは言いません。

 二人とも推したくなるし、それぞれを応援したくもなる。彼女たちは、日常生活の敵であり、声優としてライバルであり、よき友人なんだなと思わせてくれるキャラクターたちでした。今後の二人の活躍に期待です。

 

最後に

 プロの声優というものに真正面から向き合っていく彼女たちに、心を熱くさせられた作品でした。ちなみに、作中のキャラクターの中では木村が一番好きでした。まだ読んでいない人は、木村に期待しておいてください。彼、面白いので。

 こんなところで、今回は終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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