育ちざかりの教え子がやけにエモい【感想・レビュー】
どうも、にまめです。今回は、『育ちざかりの教え子がやけにエモい』の感想を語っていきたいと思います。
椿屋ひなたという少女
素晴らしい、とても面白かった! とまずはひとこと言わせてください。超よかったですよ。すごく面白かった。
なんて言えばいいんでしょう。「エモ×尊みラブコメ!」とあらすじでは銘打たれていますが、それはなにかしっくりとこないんですよね。それよりは、学校という空間と思春期の子どもたちの多面性を椿屋ひなたという少女を中心に描き切った、青春小説だと僕は思ったんです。2巻以降どうなるかわかりませんが、少なくとも僕はそういう楽しみ方をしました。
この作品では、大きく3つの視点がありました。一つは教師でありお隣さんである達也の視点。一つは同級生である手島の視点。そして最後に、少しだけ出てきましたが小学生である陽一の視点。
この3つの視点から椿屋ひなたを見つめていくことで、ひなたの様々な姿を見ることができたと思います。同時に、学校という空間の見方も様々なかたちで伺えたかと思います。そうやって、思春期という特殊な時間について深堀されている内容こそが、この作品の魅力だったのではないでしょうか。
またひなたもいいキャラクターでしたよね。中学生にしては大人びていて、達観している他とは違う少女。先ほど3つの視点から様々な姿をうかがえたと言いましたが、彼女が浮世離れした存在であるという評価は、子どもから大人まで共通していました。それほどまでに不思議な魅力を持った少女なのです。そしてそれは、文章の妙やキャラクター作りから僕たちにも伝わってきますよね。
ともかくも、ラブコメと言うよりは結構思春期に生きる人間をがっつり描いた話なのではないかなと思いました。そして面白かった! 面白かったですよ!
最後に
最後のランボーの詩のくだりに関してはとても気になるところですよね。自分なりの解釈は用意できてませんが、そこを考えるのも面白そうだなと思いました。これだけの作品であれば、真剣に考える価値もあるでしょう。それでは。