明日もきっと、ライトノベルと

読んだラノベの感想・レビューを載せています。面白かったもの、刺さらなかったもの。両方とも基本的にはレビュー作っていきます。楽しんでもらえれば幸いです!

さよなら異世界、また来て明日Ⅱ 旅する轍と希望の箱【感想・ネタバレあり】

 自炊したい自炊したい自炊したい。めんどくさいめんどくさいめんどくさい。最近、ご飯時になるとだいたいこの二つが頭を埋めつくします。結局どうするかって? コンビニで済ませてしまいます。そんなわけでどうも、にまめです。今回は、『さよなら異世界、また来て明日Ⅱ 旅する轍と希望の箱』の感想を語っていきたいと思います。

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滅びかけた異世界で、ケースケとニトの旅は続いていた。それぞれの“探し物”のためまずは地図を探して、二人はこの世界の人々が信仰する「聖女さま」を奉る聖堂がある廃村に辿り着く。

その周辺に暮らす生き残りの人々と関わるうちに、彼ら彼女らが皆何かしらの痛みを抱えていることを知った二人は、そこで出会った届け屋を営む獣人の少女・シャロルの“探し物”を手伝いながら、生き残った人々に笑顔や希望を与えるため、村に伝わる灯花祭という「聖女さま」への感謝を表す祭を復興させようと奔走するのだが…?

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止まった時間にきっかけを

 今回は、1巻よりもドラマのあるお話でした。

 ファゴ、ポーラ、ジル、モンテ……彼らは長らく一歩を踏み出せなかった人たちでした。それぞれが難しい問題を抱え、ケースケとニトは彼らの力になろうと努力していました。

 とても繊細なテーマを扱った物語です。それが、終末した世界の空気と気の利いた会話文、丁寧な情景描写によって、キャラクターの感情が僕の心に訴えかけてくる強い物語になっていました。

 何事にも、自分ひとりの力だけでは踏み出せないことがあります。それを甘えと言ってしまうことは簡単ですが、ある一歩を踏み出すのに勇気が持てない人はたくさんいると思います。だから、これは『きっかけ』の物語だと思います。作中のキャラクターたちは、ケースケとニトによってきっかけを与えられ、強く背中を押してもらったことで、様々な問題を解決しました。僕は温かみと幸せに満ちた彼らの姿に、大きな勇気をもらえた気がします。

 また、シャロルというキャラクターも素晴らしかったですね。彼女の物腰と美しい言葉遣いに、誰もが心奪われることでしょう。なにより、彼女が探し求めているもの。大切にしているものが、母との思い出である未完の小説。というところが好感が持てます。

 全体として、キャラクターの心に触れられましたね。一人ひとりのキャラの個性や背景がしっかり描かれていて、内容に厚みが生まれていました。止まった時間と『きっかけ』の物語、最高の読後感でした。

 そして、ニトが今回もかわいい! 彼女の純粋無垢な様子には心が洗われるようです。終わってしまった世界で、彼女こそが希望を象徴しているような、とても心に動きがあるキャラクター。彼女こそが、この作品を際立たせているともに、作品の世界が彼女をよりかわいらしくさせているのでしょう。まあ、理屈は抜きにして癒されました!

 

最後に

 終末した世界での旅。今回は、きっかけと希望の物語でした。最高の読後感です。幸せな気持ちが、僕の心を満たしてくれました。ありがたや……。

 

まとめ

総評:★★★★★

 

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