明日もきっと、ライトノベルと

読んだラノベの感想・レビューを載せています。面白かったもの、刺さらなかったもの。両方とも基本的にはレビュー作っていきます。楽しんでもらえれば幸いです!

少女願うに、この世界は壊すべき~桃源郷崩落~【感想・ネタバレなし】

 2億年ぶりに早起きができてテンション爆上がりです。どうも、にまめです。今回は、『少女願うに、この世界は壊すべき~桃源郷崩落~』の感想を語っていきたいと思います。

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こんな世界はぶっ壊してやる―― 妖狐の因子を持つ少女・熾天寺かがりは、村を襲う妖魔や心ない人間たちから迫害され、この世界の全てを忌み嫌っていた。 そんな彼女の願いに応じ、はるか昔に自らを封印した最強の聖仙・神津彩紀が覚醒する。五彩の覇者と呼ばれ、全能の薬神でもある彼の姿は―― 全 裸 だ っ た 。 「間一髪だったな」流れるように神州刀を振り回し、敵を殲滅した彩紀は告げる。 「どうやら俺はお前の式神、平たく云えば奴隷になってしまったようだ。お前の願いはなんだ──」 最強の聖仙と灼熱の狐耳少女による、世界変革の物語が始まった。 ――人の祈りは、天の法則を書き換える。 第26回電撃小説大賞《銀賞》受賞作!

あらすじ

 妖怪たちが跋扈する前時代的なファンタジーの世界――しかし、そこは牧歌的とは程遠い過酷な世界だった。榮凜島は天狗によって支配され、彼らの横暴によって人間たちの生活はないにも等しいほど虐げられていた。妖狐の因子を宿した少女・熾天寺かがりは、同じ妖怪の見た目をしているために人間たちから迫害されていた。つらい毎日に、世界をぶっ壊してやると願うかがりだったが、天狗たちの暇つぶしに殺されそうになってしまう。そのとき、彼女の願いは一人の男の目を覚まさせた。彼の名は彭寿星。榮凜島の守神にして”五彩の覇者”の実力者の一人。この世界の仕組みを知っている太古の人間、神津彩紀という男だった! 今、妖狐の少女と最強の男が世界を壊しに立ち上がる!

 

こんな人におすすめ!

・妖怪/儒教/ファンタジー/厨二バトル……趣味全開! 属性盛沢山の大スケールな世界観が見たい!

・他を寄せ付けない圧倒的な力! 最強主人公の活躍が見たい!

 

作者の趣味全開! 数多の要素が詰まった世界観!

 空に浮かぶ孤島・榮凜島は自然にあふれ、のどかな農村が立ち並んでいます。しかし、世界は寇魔と呼ばれる人ならざる者が跋扈しており、榮凜島では天狗たちが人間たちを虐げながら幅を利かせていました。

 江戸時代の田舎を思わせる前時代的な日本の世界と、天狗や仙人、妖狐といった仏教や儒教、中華といったところのファンタジー要素が絡み合った世界観と、それらの要素を科学的に説明するOLI因子の存在。

 設定を必要以上に説明するとネタバレになる恐れがあるので詳しくは解説しませんが、僕にはとても刺さる世界観でした。和風・中華風のファンタジーっていいですよね。この中に近代的ファンタジーの価値観も加えていくというのが、作者はやりたいこと全部ぶちこんだんだなという感じがして好色が持てました。

 他ではなかなか味わえない、わがままな世界観といえるでしょう!

 

バカな神さま彭寿星――神津彩紀、その姿

 天狗によって苦しい生活を強いられ、人間によって迫害されていたかがりを救ったのは、全裸で現れた自らを彭寿星と名乗る男だった――これは物語の冒頭ですが、インパクトがすごいですね。事実、かがりもあまりに不可解でぶっ飛んだ現象に戸惑っていましたし。

 本作は三人称視点で進んでいきますが、主人公はかがりと彩紀の二人という感じになるでしょう。彩紀は《仙人》のOLI因子を持つ最強の一角で、作中でも様々な技能・実力を見せてくれました。

 いやあ、強いですね。弱点や制約があり、なんでもできるというわけにはいきませんが、それでも圧倒的と言っていいほど、他を寄せ付けない最強ぶりでした。

 一方で、とてもバカなところが多いのも印象的でした。特に、頭がスケベ一色でしたね。最強でありながら、少し間抜けなところもある。彩紀とかがりのバカなやり取りも、見ていて面白かったです。

 しかし、彼には謎に包まれたミステリアスな一面もあります。彼の過去はほとんどが隠されており、彼の心からの願い、その中心にあるものもまだ見えてきません。いったい、1000年前になにがあったのかも気になるところですね。

 

最後に

 僕は最強系があまり好きではありません。それを踏まえてですが、設定は好きでもストーリーやテーマが個人的に好きとは言い切れないかなというところです。ですが、この作品の良し悪しはまだ決められないかなと思います。あくまで、これは始まりの物語。これから彩紀とかがりがどのような物語を辿っていくのか、それを楽しみにしています。

 今回はここらで終わりたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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