この素晴らしい世界に祝福を!17 この冒険者たちに祝福を!【感想・ネタバレあり】
アカペラを見るのにハマっています。アカペラって心地いいですよね。コーラスとかボイスパーカッションとか大好きなんですよね。好き。そんなわけでどうも、にまめです。今回は、『この素晴らしい世界に祝福を!17 この冒険者たちに祝福を!』の感想を語っていきたいと思います。
堂々完結! このすば最終巻にふさわしい内容!
めぐみんの爆裂魔法ぶっぱから始まった17巻。序盤からカズマらしい常識はずれな魔王城攻略が見られて、わくわくが止まりませんでした! 名もなき幹部が倒れていきましたが、まさかあんなにあっさりやられてしまうとは……ご愁傷さまです。
そして、待ちに待ったアクアとの再会! 安心感というか、しっくりとくる組み合わせに、さらに期待が上がりました。実際、二人の掛け合いは最高でしたね。自動回避の発動なんてもう笑いましたよ。アクアかわいそう。ぷーくすくす。
マモンと戦うシーンでも、アクアもカズマも好き勝手やっていて、「卑怯だ!」とつい笑ってしまいました。アクアが何度もお茶をお湯に変えていたのも彼女らしくてよかったですね。姑息で陰湿な、カズマらしい戦いが見れました。
そして、最後の魔王戦。本当の本当に、最後の戦い。日本ではニートだったカズマが、ポンコツな仲間たちと妙な異世界に飛ばされ、今までおもしろおかしくやってきました。
しかし、今度は半端な力じゃまともに勝てない相手。立ちはだかる敵を前に、カズマは逃げませんでした。別に特別な力もなければ、大それた信念もない、ちょっと知恵が回る小市民くらいの彼が。「しょうがないなあ」と、彼が嫌気を感じながらも愛した仲間たちのために戦いました。
不覚にも感動しました。
コメディのラストで感動することなんて、今までなかったものですから。ここまで心にきたのは初めてでした。ベタといえばベタな展開かもしれません。しかし、この『このすば』という下らなくも楽しい日常を描いてきた作品だからこそ、こみ上げてきたものがありました。
テレポートを使う直前のシーンが特に好きでしたね。
……もうチート能力なんて望まない。
伝説の魔剣や凄い才能、何者にも負けない力も必要ない。
だから、神様――
どうか、神様――
根性なしの引き籠もりに、魔王と戦う勇気をください――!
そして、ついに始まった魔王との戦い。一筋縄ではいかない相手に、最後に切ったカズマの切り札。あの『カースエクスプロージョン』もとてもかっこよかったです。彼はあの瞬間、間違いなく勇者然としていましたね。
まったく、泣かせてくれます!
この素晴らしい世界に祝福を!
しかし、最後あれだけ感動的に元の世界に戻れたのに、持ってきたのがまさかのエリス様というオチには、カズマらしさがにじみ出ていて笑うしかありませんでしたね。さすが『このすば』。感動的には終わらせてくれません。
さて、『このすば』はこの巻をもって完結しました。あとがきによると、まだ描きたいお話が残っているそうで、作品としては続きそうですが、本編は一応完結ですね。
少し寂しいですが、彼らのドタバタな日常はこれからも続いていくのでしょう。めぐみんやアクアが厄介ごとを持ってきて、カズマがダクネスをいじって、街の仲間たちやアクシズ教徒たち、イリスたちやバニルにウィズ、みんなで笑って過ごせるような、素晴らしい世界が。容易に想像できます。
思えば『このすば』というのは、どのキャラにもとても愛着が持てる、僕の中でとても稀有な作品です。なんでああも魅力的なのでしょうか? 今度深く考察してみたいですね……。
最後に
シリーズを通して、とても面白かった作品でした。いつも新鮮な笑いと、キャラクターたちの新たな日常を届けてくれました。新刊が出るたび、彼らのドタバタとした日常を見るのが楽しみで、たくさんの元気をもらえたと思います。
願わくば、これからのカズマたちの日常に、読者からも祝福を!
まとめ
ジャンル:異世界/コメディ
面白さ:★★★★★
一言:来る魔王戦! 笑いあり涙ありの堂々完結編!